個人再生の手続きの流れについて
 個人版民事再生(小規模個人再生、給与所得者等再生)の手続きは以下の流れで進められます。
 申し立て
・自分の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てます。
 
・以下のものが必要書類になります
 再生手続開始申立書(小規模個人再生用、給与所得者再生用があります。)
 陳述書(家計表、財産目録、債権者一覧表、清算価値算出書、生活の状況等を記載したもの)
 住民票
 戸籍謄本
 給与明細直近2〜3ヶ月分(何か月分かは裁判所により異なります。)
 ※事業者の人は確定申告書等が必要になります。
 源泉徴収票直近2年分
 課税証明書直近2年分
 住居形態が賃貸住宅なら賃貸借契約書、マンションや一戸建て等不動産所有なら不動産登記簿謄本 と評価証明
 本人名義の通帳の写し2年分
 生命保険等に加入している場合は保険証券
 本人名義で車を所有している場合は車検証  等
 開始決定 (申立てから数週間後位)

・住宅ローン以外の債務が3,000万円以下であるか、小規模個人再生であれば将来において継続的な収入が見込めるか、給与所得者再生であれば定期的な収入があるか等々、民事再生の要件を満たしているか裁判所が判断します。要件を満たしていない場合は棄却されます。
 
・開始決定になったら、業者は督促等できなくなり、申立人も再生計画が認可されるまで債権者(業者等)に返済する必要がなくなります。
 
・債権者が強制執行や給与差押え等の民事執行はできなくなりますし、すてに効力が生じている強制執行等も効力を失います。
 
開始決定されると官報にその旨が公告で掲載されます。
 
開始決定になると個人再生委員が選任されます。

 債権の届出と異議の申し出 (開始決定から2ヶ月間位)
 開始決定後、どの債権者からいくらの債務があるかを確定する必要があります。
 
●債権の届出●
 まず、裁判所が債権者に対して、再生手続きが開始したという通知を申立人(債務者)が作成した「債権者(借入先)一覧表」を添付して送付します。
 債権者は、債権者一覧表に記載されている金額に異議がなければ何もする必要はありませんが、債権者一覧表に記載された額に異議がある場合は、債権者が正しいと考える金額で債権の届出を行います。
 
●異議の申し出●
 申立人(債務者)は債権者が申告した額に不服がある場合は、異議を申し立てる事ができます。例えば自分はある業者に対して80万円の債務があるのに、債権者(業者)から100万円と申告があった場合は、当然、納得できませんから異議を申し立てる事になります。
 ただし、異議の申し出ができるのは予め債権者一覧表に「将来、異議を述べる事がある」と記載した場合のみですので注意して下さい。
 債権者と債務者で債務額について、主張が折り合わない時は最終的には裁判所が決定する事になります。(債権の評価)
 財産目録の作成と提出 (債権の届出と異議の申立てが終わり債権額確定後)
 申立人は債務額がいくらかというだけでなく、手持ちの資産がどのくらいあるか調査しなければなりません。
 自己破産であれば、手持ちの資産を処分する事になります、民事再生の場合は資産を処分する必要がありませんが、再生計画による債権者への配当額が、破産した時の資産を処分した配当額より上回らなければならないので財産の調査が必要になります。(清算価値保障の原則)
 再生計画案の作成と提出 (最初の申立てから3ヵ月後くらい)
  どの債権者にいくら弁済するか、弁済期間と弁済方法等をまとめますが、以下の制限や注意点があります。
 
(1)債権者の平等の原則があり、ある債権者へは有利に、ある債権者には不利な条件の弁済計画は認められませんが、不利益を受ける債権者が納得しているのであれば認められます。
 
(2)弁済期間は特別な事情があれば5年内でも認められますが、基本は3年内で弁済期間を設定しなければなりません。ですので10年かけて弁済する等の計画案は認められません。
 ※原則ですので、債権者が同意した場合は認められます。
 
(3)弁済方法も最低、3ヶ月に1度弁済しなければならないという原則がありますので、半年に1度弁済するという内容は認められません。
 ※原則ですので、債権者が同意した場合は認められます。
 
 この時点でも再生計画を開始した旨が官報の公告に掲載されます。
 書面決議(小規模個人再生) (再生計画案ができ次第)
 債権者からの意見聴取(給与所得者等再生) (再生計画案ができ次第)
 再生計画案ができたら裁判所に提出します。その後の手続きは小規模個人再生と給与所得者再生で異なります。
 
 小規模個人再生の場合は、債権者へ再生計画案について意見を聞くだけでなく「反対か」「賛成か」の書面決議を行います。この書面決議で反対数が総債権者数の半分未満であり、且つ総債権額の半分以下でなければなりません。
 債権者からの反対数が前述の条件内であり、裁判所が認可すれば確定になりますが、反対数が条件を上回る等した場合は不認可となり、民事再生以外の任意整理や破産等を検討しなければなりません。
 
 給与所得者再生の場合は、一応、債権者からの意見聴取は行いますが参考程度の扱いです。仮に債権者が全員反対したとしても、裁判所が要件等を満たしていて、きちんと履行すると判断した場合は認可されます。
 
※給与所得者再生と小規模個人再生の手続きで異なるのはこの部分のみです。
  再生計画の認可 (申立てから約半年後)
再生計画が認可された場合は、周知期間の約1ヶ月を経て、再生計画に基づく弁済が開始します。
 この時点で裁判所の関与がなくなり、実質、手続きは完了になります。
 ※再生計画が認可されるとその旨が官報の公告に掲載されます。
 
 あとは、滞納する事なく再生計画通りに弁済する事になります。

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