小規模個人再生か給与所得者再生か
 個人版民事再生には小規模個人再生と給与所得者再生に分かれます。
 小規模個人再生

■ 主な対象者 ■
・収入に変動の幅がある、収入に定期性がない個人事業者、サラリーマン、アルバイト等。
・失業者でも内定等、就職の見込みがある人は可。
 →再生計画が認可されるまでに給与等が支給される必要があります。
 
■ 申し立てる為の要件 ■
・個人であること。
・住宅ローン以外の債務額が3,000万円以下であること。
・前述の継続的あるいは反復的な収入がある。
・最低弁済基準を満たしていること。(下記に説明)
・債権者の半分以上の同意を得る見込みがある。(下記に説明)
 
■ 最低弁済額基準 ■
住宅ローンを除いた債務額 最低弁済額

住宅ローンを除いた債務総額 最低弁済額
〜99万円 全額
100万円〜500万円 100万円
501万円〜1,500万円 債務額の2割
1,501万円〜3,000万円 300万円

*あくまで「最低」弁済額です。最低弁済額は破産した場合に債権者に配当される額を超えるものでなければなりません。
*最低弁済額を元に決定した再生計画に基づく返済を3年以内(特別な事情があれば5年)に弁済していく事になります。
 

■ 再生計画案に関する債権者の同意 ■
消極的同意も含めて半分以上だが、簡単に言えば反対意見が半分未満であればいい話です。
ただし、単純に債権者数ではなく債権額も半分以上にならなければなりません。例えば債権者が5件、債権額が500万円の場合、3件が賛成しても、残り反対の2件の債権額が300万円という場合、賛成の債権者数は半分以上でも反対の債権者が持つ債権額が半分以上なので、この場合は再生計画案は否決される事になります。

 給与所得者再生

■ 主な対象者 ■
・普通のサラリーマンのように将来の収入に確実性がある事と収入の変動幅が小さく、容易に把握できる人。
・アルバイトやパート等の雇用形態の人でも収入額の変動幅が小さい場合は利用できます。
※給与所得者再生が対象の人は小規模個人再生を選択する事も可能です。
 
■ 申し立てる為の要件 ■
・個人であること。
・定期的な収入が得られ、収入の変動が少ないこと。
・住宅ローン除いた債務総額が3,000万円以下である事。
・最低弁済基準を満たしていること。(下記に説明)
・過去10年以内に破産・免責の決定を受けていない事。
 
■ 最低弁済額基準 ■
住宅ローンを除いた債務額 最低弁済額

住宅ローンを除いた債務総額 最低弁済額
〜99万円 全額
100万円〜500万円 100万円
501万円〜1,500万円 債務額の2割
1,501万円〜3,000万円 300万円

*あくまで「最低」弁済額です。最低弁済額は破産した場合に債権者に配当される額を超えるものでなければなりません。
*給与所得者再生の場合、最低弁済額が可処分所得の2年分を超える額でなくてはなりません。
*可処分所得:収入から社会保険の費用や税、政令で定める最低限の生活費を差し引いた額。
*最低弁済額を元に決定した再生計画に基づく返済を3年以内(特別な事情があれば5年)に弁済していく事になります。
 

■ 再生計画案に関する債権者の同意 ■
・債権者の意見聴取・同意は不要です。

* 給与所得者再生に該当する人は、小規模個人再生とどちらが妥当かは専門家に判断してもらう事をオススメします。自分の判断のみでは、実際に手続きして不利益等が起きるかもしれません。(手続きの途中で変更は可能ですが念の為。)

 多重債務問題のTOP │ 個人再生のTOP │

個人再生が妥当かどうかの目安 個人再生の手続きの方法 個人再生のメリット・デメリット
個人再生の手続きの大まかな流れ │ 住宅資金特別条項(住宅ローン特則)について 個人再生のQ&A